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現代アートを理解するために 今すぐ買える、おすすめ入門書

初心者でも読みやすい、アート本

人はなにかを理解したいとき、それを言語化することで思考が整理され、「解像度」が増すと言われます。
逆にいうと、言葉にできないものはよく理解できていない、とも言えるのではないでしょうか。

 

現代アートがなんとなく「とっつきにくい」のは、作品のよさや価値をうまく言葉で表現できないからかもしれません。
だったら、言葉で現代アートを知るために、本を読んでみるのはどうでしょうか。

 

時代やアーティストごとに個性的な表現が繰り広げられる現代アートを解説する入門書から、アート作品を通してものの見方や考え方を学ぶベストセラーまで、現代アートを知り、楽しむために役立つ現代アート本を紹介します。

 

 

親しみやすいイラストで、現代アートとの距離が縮まる

●『めくるめく現代アート イラストで楽しむ世界の作家とキーワード』
文・絵:筧菜奈子/フィルムアート社

出典)フィルムアート社 / http://filmart.co.jp/books/composite_art/mekurumeku-gendai-art/

 

美大で学び、大学院で現代美術史を学んだ著者による現代アートの入門書。現代アートの基礎知識をまんべんなく紹介してくれる案内本です。

 

前半は押さえておくべきアーティストとその代表作を紹介する「アーティスト編」、後半は現代アートを理解する上で欠かせない用語や考え方を解説する「キーワード編」で構成されています。

 

この本の特徴は、アーティストの似顔絵や作品のイラストが満載で親しみやすいところ。作家の言葉やエピソードなども多く、どんな思想を持った作家だったのか、作品はどう評価され、美術界にどんな影響を与えてきたかなどの解説とともに、アーティストへの理解を深めることができ、楽しめます。

 

特に、著者の視点で描かれた作品のイラストやコメントは、作品を解釈する手助けになりそう。作品の特徴や魅力がデフォルメされて描かれているので、鑑賞ポイントやアートとしての価値について、著者がどのように見て、解釈しているのかを感じることができます。

 

また後半は、「ポップ・アート」や「インスタレーション」、「ギャラリー」など、現代アートを知る上で役立つ言葉の辞典としても機能しそうです。

 

 

現代アートの「美」について、驚きと発見のある一冊

●『わかりたい!現代アート』
著:布施英利 画:TYM344/光文社

出典)光文社 / https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334787189

 

現代アートの始まりと言われるマルセル・デュシャンの作品「泉」から100年の現代アートの見取り図を書いた、美術評論家による本。20世紀のアートを「モダン」と「ポップ」の2つに分け、読み解いていきます。

 

34人のアーティストが年代順に紹介される文は初心者にもとても読みやすく、時代ごとのアートを貫く軸がわかるように書かれています。

冒頭に出てくるモスクワ生まれの抽象画家・カンディンスキーの項では、現代アートを学ぶ人にとって心強い言葉に出会えます。そこには、カンディンスキーが抽象画を描くきっかけとなったエピソードとともに、「そもそも現代アートというのは、わからなくていいのです。わからない、だからつまらない、ではなくて、わからない、だから面白い、それが現代アートの出発点でもあったのです」と書かれています。冒頭から勇気をもらい、ぐいぐい読み進めることができます。

 

たくさんのエピソードとともに、アーティスト像や表現の特色が解説されますが、作品の写真は掲載されていないので、検索して作品を見ながら読むと、より理解が深まるかもしれません。

 

 

サラリーマン・コレクターに現代アートを学ぶ

●『現代アートを買おう!』
著:宮津大輔/集英社新書

出典)集英社新書 / https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0544-f/

 

著者は普通のサラリーマンでありながら、日本を代表する現代アートのコレクター。

作品との運命的な出会い、月々の小遣いやボーナスをやりくりして現代アートを手にした経験、そのノウハウや失敗談、嬉しいできごとなど。親近感が湧くエピソードに、思わず引き込まれてしまいます。

 

作品保管の具体的方法、美術館や展覧会へ作品を貸し出す時の注意点など、作品購入後のあれこれまで丁寧にフォローする内容は、いつか役に立つかも。

 

また驚いたのは、著者はこれまで購入した約300点にのぼる作品を1点も売却したことがないのだとか。さらに、交流のあるアーティストたちと一緒に家を建ててしまうなど、作品やアーティストへの愛の深さが伺えます。

情熱とコミュニケーションを大切に、現代アートに向き合う姿勢は参考になります。

 

 

現代アートを理解する視点と思考を手に入れる

●『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』
著:末永幸歩/ダイヤモンド社

出典)ダイヤモンド社 / https://www.diamond.co.jp/book/9784478109182.html

 

最後に紹介するのは、「アート思考」という考え方を磨くための本です。

 

冒頭でいきなり、私たちは1枚の絵画もじっくり見ることができない、という現実が突きつけられます。 著者がいう「アート思考」とは、「『自分だけの視点』で物事を見て、『自分なりの答え』を作り出すための作法」。この本では、マティスやピカソなど、20世紀のアート作品を介して、自分なりのものの見方を磨くための体験ができます。

自分の興味や好奇心に向き合う「アート思考」は、難解な現代アートを鑑賞する上でも新しい手がかりをもたらしてくれそうです。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。
現代アートの歴史や文脈を理解し、作品に対するまなざしや情熱について知ることは、運命のアート作品と出会うその時を、ぐっと近づけてくれるかもしれません。
知識は理解を深めてくれます。
いつかくるかもしれない情熱的な出会いのために、少しずつ現代アートを学び、楽しんでいきたいですね。

 

記事公開:2022年1月24日

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